コーヒーの知識

【初心者向け】酸味が少なくおいしいコーヒーの選び方と酸味を抑える3つの方法

2024.06.23

こんにちは。Encore! Coffee Roasteryの杉山です!
今日のお題もコーヒーの酸味です。

  • 「コーヒーの酸味が強くて飲みにくい」
  • 「酸味が少ないコーヒーを見つけたい」
  • 「酸味が少ないコーヒーの淹れ方が知りたい」

酸味のあるコーヒーが苦手な方、多いですよね。その悩み、コーヒーショップをしていると毎日のように聞きます。

先日もコーヒーの酸味を楽しむためのアプローチをコラムに書きました。
苦手なコーヒーの酸味が好きになる!酸味の正体と良い酸味を持つコーヒーの選び方

コーヒーショップにとって「酸味」って永遠の課題なんです。
ポジティブな意味でもネガティブな意味でも使われるんですが、一般的にどちらかというと「酸味」=「酸っぱい」とネガティブに捉えられることの方が多い印象があります。

基本的に当店をはじめスペシャルティコーヒーをラインナップしているお店は良質でフルーティなコーヒーの酸味を味わってほしいという気持ちが前提にあることが多いと思います。

エチオピアのコーヒー
当店で一番人気の浅煎り豆「エチオピア デンカラム」

なので、うちでは定期的に「浅煎りの沼に片足を突っ込んでみようデイ」、通称「浅沼DAY」なるイベントを開催して、いつもより浅煎りのラインナップを増やしてお得な価格で浅煎りコーヒーを体感してもらうという試みを始めました。

ただ、好みとして深煎りの方が好きという方ももちろん多いですし、そういう方にもおいしいスペシャルティコーヒーを味わっていただきたいという強い想いが僕たちにはあります。

というか僕自身がEncore! Coffee Roasteryを開業する前は「コーヒーといえば深煎りでしょ!」という感じでした。

先日のコラムはどちらかというとよくある酸味の誤解を解くために書いたのですが、今回のコラムは「酸味」=「酸っぱい」とは思っていないけど、それでもやっぱり酸味が少ないコーヒーの方が好き、コーヒーを飲む時はできるだけ酸味を抑えたい、という方に向けて書きました。

酸味が少ないコーヒー自体は少し探せばたくさんあります。
ただ、酸味が少なく、さらに良質な風味特性を持ち、かつ美味しく飲めるコーヒーを探すには、選び方や淹れ方にちょっとした工夫が必要です。

この記事では、酸味が少なくおいしいコーヒーの選び方や淹れ方のポイントを詳しく解説します。

結論を先に書くと、
酸味が少ないコーヒーを見つけるには、
「酸味がマイルド傾向にある産地のコーヒー豆を選ぶ」
酸味が抑える3つの方法としては
・焙煎度合いを深くする
・抽出時間を長くする
・劣化由来の酸化を防ぐ(新鮮な豆を使う)
こういった方法があります。

これからこの具体的な内容や注意点をお伝えしていきます。
このコラムを読むことで、酸味が少なくておいしいコーヒーを自宅で楽しめるようになります。自分にぴったりのコーヒー豆を見つけて、毎日のコーヒータイムをもっと楽しいものにしましょう!

酸味が苦手な人のためのコーヒー選び

まず最初に酸味が少ないコーヒーの選び方についてご紹介します。
酸味が少ないコーヒーは、焙煎度合いや豆の種類によって異なります。自分に合ったコーヒーを見つけるためのポイントを押さえましょう。
この章では、酸味が少ないコーヒーの特徴や選び方、メリット・デメリットを詳しく解説します。さらに、初心者におすすめのコーヒー豆もご紹介します!

  • 酸味が少ないコーヒーの特徴とは
  • 酸味が少ないコーヒーの選び方
  • 酸味が少ないコーヒーのメリット
  • 酸味が少ないコーヒーのデメリット
  • 酸味が少ないおすすめのコーヒー豆

酸味が少ないコーヒーの特徴とは

酸味が少ないコーヒーは、主に深煎りの豆から作られます。深煎りにすることで、豆の酸味が抑えられ、苦味やコクが強調されます。
また、ブラジルやインドネシアなどの産地の豆も酸味が少ない傾向があります。これらの地域の豆は、土壌や気候の影響で酸味が控えめです。
さらに、豆の品質や新鮮さも酸味に影響します。新鮮な豆を使うことで、劣化由来の酸味が少なく美味しいコーヒーを楽しむことができます。

酸味が少ないコーヒーの選び方

コーヒー豆の選び方において、酸味が苦手な方は、まず焙煎度合いに注目しましょう。一般的に、深煎りのコーヒー豆は、酸味が少なくなり、苦味やボディ感のある風味が際立ちます。
原産地の影響も大きく、ブラジルやインドネシア産の豆は、基本的に酸味が控えめです。また、低温長時間で焙煎された豆も、酸味が抑えられる傾向にあります。

さらに、豆の鮮度にも注意が必要です。新鮮な豆を選ぶことで、劣化由来の酸味が少なく、コクと風味豊かなコーヒーを楽しむことができます。
これらのポイントを踏まえて、コーヒー豆を選ぶ際には、パッケージや説明書きで焙煎度合いや産地情報、そして焙煎日を確認し、自分の好みに合った豆を見つけましょう。

酸味が少ないコーヒーのメリット

酸味が少ないコーヒーには、以下のようなメリットがあります。まず、飲みやすさが挙げられます。酸味が苦手な方でも、苦味やコクを楽しむことができます。
また、ミルクや砂糖との相性が良く、カフェオレやラテにしても美味しいです。自分好みの味にアレンジしやすいのもポイントです。
さらに、浅煎りのコーヒーに比べると比較的胃への負担が少ないという点もメリットです。浅煎りのコーヒーは胃酸の分泌を促進するクロロゲン酸が深煎りのコーヒーに比べて多く含まれているので、胃を刺激することがありますが、深煎りのコーヒーはその心配が少なくなります。

酸味が少ないコーヒーのメリットまとめ

  • バランスよく飲みやすい
  • ミルクや砂糖との相性が良い
  • 浅煎りに比べると胃への負担が少ない

酸味が少ないコーヒーのデメリット

酸味が少ないコーヒーにも、いくつかデメリットがあります。まず、苦味が強く感じられることがあります。深煎りの豆は酸味が少ない反面、苦味が強くなります。
また、風味が単調になりやすいという点もあります。基本的にコーヒーは焙煎が深く進めば進むほど香気成分が揮発していきます。酸味が少ないことで、味わいの幅が狭くなることがあります。
さらに、保存状態によっては、浅煎りのコーヒーより風味が落ちやすく、劣化が早いという点もあります。これは深煎りのコーヒー豆は浅煎りのコーヒー豆に比べて柔らかいため、香気成分が揮発しやすいことと内部の油分が表出しやすいためです。新鮮な豆を使うことで、このデメリットはある程度軽減できます。
まとめると、酸味が少ないということは、相対的に苦味が多い、銘柄によっては味わいが単調になる、もしくはオールドクロップのように風味が良くも悪くも平坦という場合があります。

酸味が少ないコーヒーのデメリットまとめ

  • 苦味が強く感じられる
  • 風味が単調になりやすい
  • 保存状態により風味が落ちやすい

酸味が少ないコーヒーの代表的な種類

酸味が少ないコーヒーの代表的な種類としては、ブラジル産やインドネシア産の豆が挙げられます。これらの豆は、一般的に深煎りにしても個性的な風味がしっかり残っていて、酸味が控えめで、キレのある苦味やコクが楽しめるのが特徴です。

こちらのブラジル産のコーヒー豆は、ナッツやダークチョコのような香ばしく甘い風味があり、飲みやすいです。苦味もマイルドでキレがあり、まさに深煎りの入門といった感じです。

こちらのインドネシアは、ハーブやスパイスを感じる濃厚なコクと香りが楽しめます。深煎りですが、爽やかな苦味の後にしっかりした果実感と甘みが後を追いかけます。マンデリンの呼び名でも有名な深煎り好きを魅了し続けるコーヒーです。

これらの豆は、酸味が少ないコーヒーを探している方におすすめです。ぜひ試してみてください。

  • ブラジル産のコーヒー豆
  • インドネシア産のマンデリン
  • 深煎りの豆を選ぶ

酸味を抑える3つの方法

酸味が苦手な方には、酸味を抑えるための方法を試してみてください。焙煎度合いや抽出方法、保存方法など、具体的な方法をご紹介します。
これらの方法を活用して、酸味が少ないコーヒーを楽しむことができます。自分好みの味を見つけるために、ぜひ試してみてください。

  • 焙煎度合いで調整する
  • 抽出方法を工夫する
  • 劣化由来の酸化を防ぐ

焙煎度合いで調整する

この方法は深煎りの焙煎度を選べるコーヒー専門店でコーヒー豆を購入する方や自宅で手鍋などで焙煎されている方向けになります。というのもお店によっては浅煎りのコーヒー豆のみを扱っているところも少なくないからです。

コーヒー豆の焙煎度合いは、酸味に大きく影響します。一般的に深煎りの豆は酸味が少なく、苦味が強くなります。逆に浅煎りの豆は酸味が強く、苦味が弱くなります。
コーヒー豆を深煎りにすることで、酸味が少なく、コクのある味わいを楽しむことができます。焙煎度でいうと苦味が形成されていくシティロースト以降、フルシティローストやフレンチローストがおすすめです。

当店でも、酸味が苦手なお客様にはまずは深めの豆をおすすめしています。適切に深煎りされた良質なコーヒーは、苦味とともに香ばしくコク深い甘味やトロッとした質感の果実感も味わえます。ミルクや砂糖と合わせても美味しく飲めます。

抽出方法を工夫する

抽出方法も酸味に影響します。いつもよりもゆっくり抽出することで、酸味よりも苦味を引き出すことができます。湯温は90℃前後がいいでしょう。
ドリップの際には、コーヒー豆をグラニュー糖ぐらい、もしくはもう少し細かい挽き目にし、抽出時間は3分程度を目安にしましょう。

ドリップの時間の目安は、当店では大体2分程度でお伝えしているのですが、酸味を減らしたい場合は抽出時間を長くします。湯温や挽き目で調整する方法もありますが、事前準備のことを考えると抽出するときに時間を長くする方法が一番簡単です。
コーヒーの抽出される成分の順番は決まっていて、

酸味→甘さ→苦み→雑味やエグ味などのネガティブな要素

この順番に成分が抽出されます。
なので抽出時間を長くすると後半の苦味の比率が多くなります。正確には酸味を抑えるというよりは先に抽出された酸味に対して苦味の比重を増やすという理屈です。

酸味が少ないコーヒーを楽しみたい方には、これらの方法をぜひ試してみてください。
ただ、抽出時間が3分を超えてくると、雑味やエグ味などのネガティブな要素も抽出され始めるので、どれだけ長くても4分以内にはドリッパーを外した方が良いです。

  • 90℃前後の高温のお湯で抽出
  • 細かい挽き目の豆を使用
  • 抽出時間は3〜4分

劣化由来の酸化を防ぐ

コーヒー豆は酸性化すると嫌な酸味が強くなります。焙煎されてからある程度日にちがたつとコーヒー豆内部の油分が表出し、酸性化するためです。
酸性化を防ぐためには、豆を適切に保存することが重要です。酸性化の原因となる酸素にできるだけ触れないように密閉容器に入れて、直射日光を避ける場所で保管しましょう。

後、冷蔵庫や冷凍庫での保存についてよくご質問をいただくので、簡単に回答します!
使う分だけ小分けして、頻繁に出し入れをしない前提であれば効果的です。小分けしない場合は温度差で豆が湿気を吸収しないように注意が必要です。またコーヒー豆は臭いも吸収する性質があるので、入れるなら冷蔵庫よりは冷凍庫の方がおすすめですが、業務用の冷凍庫ではない場合、冷凍焼けするリスクもあります。

他の方法として、手間はかかりますが、真空パックを使用するのも有効です。
ただ、焙煎から日にちが経っていないのであれば、チャック付きの袋や密閉型の容器に入れて常温保存で問題ありません。新鮮なコーヒー豆であれば、エイジングと呼ばれる、少しずつ炭酸ガスが抜けて風味が変化していく過程も楽しめますよ。

基本的には深煎りのコーヒー豆の場合、豆の状態なら2週間前後で使い切ることをおすすめします。浅煎りの場合は1ヶ月前後保ちます。
ただ、粉に挽いたものを購入された場合は劣化も早いので1週間以内に使い切りましょう。

当店では、新鮮な豆を提供するために、焙煎から1週間以内のコーヒー豆のみを販売し、オンラインショップではご注文を受けてから都度焙煎しています。コーヒー豆のパッケージも豆から放出される炭酸ガスのみを逃し、外からの酸素は遮断するためのワンウェイバルブが付いた高機能な袋に封入してお渡ししています。家庭でも、新鮮さを保つ工夫をぜひ取り入れてください。

  • 密閉容器に入れて保存
  • 直射日光を避ける
  • 酸性化を防ぐ保存方法

酸味が苦手なあなたへ:コーヒーをもっと美味しく楽しむための秘訣

コーヒーの酸味が苦手でも、選び方や淹れ方次第で、あなたにぴったりの一杯が見つかります。このコラムでは、酸味が少なく美味しいコーヒーを見つけるためのポイントと、酸味を抑える3つの方法を紹介しました。

酸味が少ないコーヒーを見つけるためのポイントを簡単におさらいしておきましょう。

  • 深煎りの豆を選ぶ: 酸味が抑えられ、苦味やコクが際立ちます。
  • ブラジルやインドネシア産の豆を選ぶ: これらの産地の豆は、酸味が控えめな傾向があります。
  • 新鮮な豆を選ぶ: 劣化による酸味を防ぎ、風味豊かなコーヒーを楽しめます。

酸味を抑える3つの具体的な方法は以下の通りです。

  • 焙煎度合いを深くする: シティローストより深い焙煎にすると、酸味が減り、苦味が増します。
  • 抽出時間を長くする: 3~4分を目安に抽出時間を長くすると、苦味の成分がより抽出されます。
  • 劣化由来の酸化を防ぐ: 新鮮な状態で密閉容器に保存し、直射日光を避けることで、酸味を抑えられます。

酸味だけに限らずコーヒー豆の選び方や淹れ方を少し工夫するだけで、コーヒーの楽しみ方は大きく広がります。この記事を参考に、自分好みのコーヒーを見つけて、至福のコーヒータイムを過ごしてくださいね。

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