【初心者向け】ドリップでおいしいコーヒーを淹れよう!すぐに役立つコツ
2024.09.20先日公開したおいしいコーヒーの淹れ方完全ガイドからハンドドリップの重要ポイントとレシピ集を抜粋しました。入門編として見やすいようにまとめ直しています。
豆の量や抽出時間をさっと確認してすぐにおいしいコーヒーを淹れられます。
すぐにレシピを確認したい方は「焙煎度合い別ハンドドリップレシピ」の項目へレッツゴー!
ハンドドリップのことをもっと詳しく知りたい!という方は前回の記事をご覧ください。
おいしいコーヒーの淹れ方完全ガイド!ハンドドリップの基本レシピと知識
ハンドドリップのポイントおさらい
ハンドドリップで安定しておいしいコーヒーを淹れるためにはいくつかのポイントがあります。
まず結論から言うと、安定したドリップで一番大切なのは「量と時間を計測すること」と「新鮮なコーヒー豆を使うこと」です。
料理やお菓子作りでも同じですよね。材料の分量と素材の鮮度が大事。
新鮮なコーヒー豆の基準は?
コーヒー豆が新鮮かどうかは焙煎日で判断します。
見た目だけでは新しいのか古いのか判断できないので、袋に記載されている焙煎日を確認するか、お店の人に聞いてみてください。
基準としては焙煎日から1週間以内のコーヒー豆を選ぶのがベストです。
たまに勘違いされるのですが、焙煎したて=新鮮ではなく、美味しく飲める期間=新鮮です。
新鮮なコーヒー豆を選ぶ理由は焙煎したてを飲むためではなく、エイジングによる味わいの変化も含めて美味しく飲める期間がより長く楽しめるためです。
逆に焙煎したては多量に含まれた炭酸ガスが安定した抽出を邪魔してしまうので、焙煎日からまる1日以上、浅煎りの場合だと3日以上経ってからの方が香気成分がバランスよく抽出されおいしいコーヒーになります。
おいしく飲めるコーヒーの期限は焙煎からだいたい浅煎りで1ヶ月から2ヶ月まで、深煎りでだいたい2週間までです。 |
コーヒーの香気成分は揮発性です。焙煎日から日にちが経ち過ぎるとコーヒーの香味は抜けていきます。
また、日にちが経過し、炭酸ガスがある程度抜けるとコーヒー豆に含まれる油分が表出してきます。
表出した油分は日にちの経過ごとに酸化していきます。古くなった豆は風味が抜けているだけでなく、油分の酸性化によって、酸っぱくなっていたり、嫌な苦味が出てきたり、古い油ものを食べたときのような胃もたれや頭痛の原因にもなります。
※粉で購入する場合は劣化が早まりますので1週間ほどで飲み切りましょう。
おいしいコーヒーの近道は計測すること
具体的には次の3つのポイントで量と時間を計測します。
- 抽出比率(ブリューレシオ)の基本は豆:水 = 1 : 15(ホットの場合)
- 抽出時間は2分から3分以内
- 蒸らしは豆量の約3倍、時間は40秒前後
初めはこの3つのポイントさえしっかり抑えれば、ハンドドリップで淹れるコーヒーは確実に安定したおいしさになります。
毎回薄くなったり濃くなったりとお家コーヒーがなかなか安定しない方はぜひ試してみてください。
例えば、コーヒー豆を測る時に「メジャースプーンですり切り2杯」といった感じで準備することがあると思います。
ただ、コーヒー豆は浅煎りと深煎りで重さは結構違うんですよね。
さらにややこしいことに深煎りほど体積は大きく膨らむのに対して、重量は水分が多く抜けている分、軽くなっています。
- 深煎りのコーヒー豆:大きくて軽い
- 浅煎りのコーヒー豆:小さくて重い
焙煎度合いやスプーンの大きさによって異なりますが、深煎りと浅煎りだとだいたいメジャースプーン一杯で1グラム前後の誤差が出ます。(上の写真の例ではKalitaの小さめのメジャースプーンを使用)
なので、最初は少し手間に感じるかもしれませんが、毎回豆の量を計った方が、抽出比率が安定し美味しくなりますし、コーヒー豆も無駄になりません。
慣れてくればだいたいの感覚でもある程度おいしいコーヒーを淹れられるようになりますが、それまではスケールで豆の量をきちんと計り、タイマーでドリップの時間を管理しながら淹れた方がすぐに上達します。
蒸らしのポイント
前回詳しくお話しできていなかった蒸らしの方法について少し触れておきます。
「蒸らし」は日本語だと意味合いがピンと来ないのですが、英語では「Blooming(ブルーミング)=開花する」と言います。
ハンドドリップの工程でも香気成分を引き出す準備をするための一番重要な作業です。
コーヒーの粉は一粒一粒がハニカム構造といって穴がたくさん空いた多孔質になっています。その穴の中には炭酸ガスが含まれているのですが、このガスを最初にしっかり抜いてあげないとコーヒーの味わいの成分がうまく抽出されません。
蒸らしはこのガスをしっかり抜いて、コーヒーに含まれる味わいの成分にお湯が届くように通り道を作ってあげるための大切な役割です。
蒸らしに使うお湯の量は豆の量の約3倍を目安に覚えてください。
豆が14gだとだいたい蒸らしのお湯の量は40g前後です。
蒸らしはドリップの最初に粉の表面全体を濡らすように静かに注ぎます。
一番深い中央から注ぎ始め、ゆっくり外側に向かってお湯の線を回していきます。
注ぎ終わったときに粉の表面に乾いた部分がなければ、蒸らしはオーケーです。
ちなみに蒸らしのお湯がサーバーに落ちるのは問題ありません。
濃度や味わいのバランスは出来上がったコーヒー全体で適切なものになります。
もし乾いた部分があれば、その部分にだけお湯を静かに追加で注いでください。
蒸らしについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
コーヒーが蒸らしで膨らまない本当の理由と改善ポイント
温度計がない場合の湯温管理の方法
温度計や温度調節機能付きのケトルがない場合は、以下のお湯の温度変化を参考にお湯の温度を整えてください。
ケトルのお湯の温度変化
- 沸騰から1分半で約96度(浅煎り向き)
- 沸騰から3分で約90度(中煎りから中深煎り向き)
- 沸騰から4分で約86度(深煎り向き)
浅煎りであればお湯を沸かすのは準備の最後の方、深煎りであればお湯を沸かした後にドリップの道具を準備し始めればだいたいちょうど良い湯温になっていると思います。
ハンドドリップのための用意するものリスト
- コーヒー豆
- コーヒーミル(自分で挽く場合)
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- サーバー(一杯だけならカップに直接ドリップでも可)
- スケール
- タイマー
焙煎度合い別ハンドドリップレシピ
ここからはハンドドリップの具体的なレシピを紹介していきます。
焙煎度合いによって豆の量や湯温、抽出時間の配分など色々と変えていますが、焙煎度合いがよく分からないときや複数のレシピを覚えるのは大変というときは2番目に紹介する中煎りのレシピで統一してください!
慣れてくればレシピを変えるだけで味わいも変わるので、ぜひ挑戦してみてください。ハンドドリップがもっと楽しくなりますよー。
まずは前回と同じように動画を載せておきますので、イメージを膨らませてから挑戦してみてください!
浅煎りコーヒーの爽やかな酸味を楽しむレシピ
浅煎りコーヒーは、硬めで豆の中の炭酸ガスが少ないのが特徴です。苦味は少なく、明るく心地よい酸味があります。
香気成分は華やかでフルーティ。まるで花畑を歩いているような、爽やかな香りが広がります。このレシピでは、その特徴を最大限に引き出すことを目指します。
ポイントは、やや高めの抽出温度と細めの挽き方です。これにより、豆の繊細な風味をしっかりと抽出できます。
水温:90〜96度(沸騰から1分半置く)
挽き方:中細挽き(グラニュー糖よりやや細かく)
抽出時間:2分10秒
抽出レシオ 豆:水=1:16
蒸らし時間:40秒
お湯:210g
豆:13g
手順:210gのお湯を4回に分けて注ぎます。
40g 蒸らし(粉全体にお湯が行きわたるように注ぎ、40秒間待ちます)
120g (+80g) 40秒 - 1分10秒
180g (+60g) 1分10秒 - 1分35秒
210g (+30g) 1分35秒 - 1分50秒
落ち切るまで待ってドリッパーを外す - 2分10秒
ポイント
効率よく均等に抽出するために、粉の中心付近にお湯をゆっくり注ぎ、液面が下がってきたら次のお湯を注ぎます。
浅煎りのおすすめ豆
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中煎りコーヒーでバランスの取れた味わいのレシピ
中煎りコーヒーは、炭酸ガスの量も香気成分のバランスも絶妙です。酸味と苦味のハーモニーが楽しめます。
このレシピでは、そのバランスの良さを活かしつつ、豆の持つ複雑な風味を引き出します。
ポイントは、ドリップの前半に抽出される酸味と甘み、後半に抽出される苦味をバランスよく引き出し、もっとも心地よいテイストを目指します。
水温:88〜90度(沸騰から3分置く)
挽き方:中細挽き(グラニュー糖ぐらい)
抽出時間:2分10秒
豆:水=1:15
蒸らし時間:30秒
お湯:210g
豆:14g
手順:210gのお湯を4回に分けて注ぎます。
40g 蒸らし(粉全体にお湯が行きわたるように注ぎ、40秒間待ちます)
100g (+60g) 30秒 - 55秒
160g (+60g) 55秒 - 1分30秒
210g (+50g) 1分30秒 - 1分50秒
落ち切るまで待ってドリッパーを外す - 2分10秒
中煎りのおすすめ豆
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深煎りコーヒーの濃厚な風味を引き出すレシピ
深煎りコーヒーは、豆の中の炭酸ガスが多いのが特徴です。そのため、抽出時に独特の苦味とコクが生まれます。
香気成分は、チョコレートやナッツ、ベリーのような香ばしさが際立つものが多いです。このレシピでは、その濃厚な風味をしっかりと引き出すことを目指します。
ポイントは、やや低めの抽出温度と粗めの挽き方です。これにより、過度の苦味を抑えつつ、コクと甘みを引き出せます。炭酸ガスが多いので、しっかりと蒸らすのがコツです。
水温:84〜86度(沸騰から4分置く)
挽き方:中粗挽き(グラニュー糖よりやや大きい)
抽出時間:2分25秒
豆:水=1:15
蒸らし時間:45秒
お湯:210g
豆:14g
手順:210gのお湯を5回に分けて注ぎます。
40g 蒸らし(粉全体にお湯が行きわたるように注ぎ、45秒間待ちます)
80g (+40g) 40秒 - 1分00秒
120g (+40g) 1分00秒 - 1分20秒
160g (+40g) 1分20秒 - 1分40秒
210g (+50g) 1分40秒 - 2分05秒
落ち切るまで待ってドリッパーを外す - 2分25秒
深煎りのおすすめ豆
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ハンドドリップで至福の一杯を淹れよう
さて、ハンドドリップコーヒーの基本とポイント、焙煎度別のレシピについて紹介しました。
安定したハンドドリップで大切なのは、
- 量と時間を計測する
- 蒸らしを大切にする
この2点でしたよね。
ハンドドリップには今回紹介したレシピ以外にもたくさんのレシピがあります。
どんなおいしいコーヒーを淹れるレシピでも計測から始まります。
注ぎの技術は二の次で大丈夫です。
あとはお気に入りのコーヒー豆とカップを用意するだけです。
ハンドドリップコーヒーは、まるで小さな実験のようです。少しずつ調整を重ねることで、あなた好みの味に近づいていきます。
初めは難しく感じるかもしれませんが、コツを掴めば誰でも美味しいコーヒーが淹れられるようになります。ぜひ挑戦してみてください。
もっと詳しく知りたい方は、前回の記事も参考にしてみてください。
おいしいコーヒーの淹れ方完全ガイド!ハンドドリップの基本レシピと知識