コーヒー
焙煎について、あるいはコーヒー豆との対話
2022.06.22当店では日々6種類の産地のコーヒー豆を焙煎しています。
焙煎前には欠点豆を取り除くためのハンドピックというめちゃ重要な作業があるのですが、
今回は焙煎という工程だけに的を絞って分解します。
で、焙煎って結局なにしてんの?とにかく焼いてしまえば飲めるの?という疑問に専門用語をできるだけ使わず、シンプルにお伝えできればと思います。
コーヒーの焙煎は簡単に言うと、「コーヒーの生豆に火を通して、抽出して飲める状態にする」工程です。食材に火を通して食べられる状態にするようなイメージです。
ここで重要なのはどのように火を通して、どのような味わいに持っていくかということ。
コーヒーには約800種類の香味成分が含まれていると言われていて、その多くは焙煎の過程で形成されたり失われたり比率が変わったりします。
コーヒー豆は産地や品種、ロットが違えば形も大きさも水分量も、そして含まれる香味成分の比率も変わるので、すべて同じレシピで焙煎できるわけではありません。
そこは時間をかけて彼らコーヒー豆の言い分を聞いていくしかないです。
焙煎のレシピを決める要素はたくさんあるのですが、思い切り省略すると、どれだけの火(カロリー)をどれだけの時間加えたか、です。そこに火力の調整や排気量の調整などの細かな変数が加わっていきます。
なのでよく焙煎の写真で見るように、途中で香りをかいだり、色合いを確認したりしてベストな煎り止めのタイミングを探っていきます。
この一連の流れが比喩ではなく、本当に「コーヒー豆と対話」をしているなぁと思います。
コーヒー豆との対話の先にお客様との対話があって、僕らはその両者の間に立って関係をつなげるいわゆる「通訳」のような仕事なのかもしれません。