コロンビアのスペシャルティコーヒー界のリーダー的存在!カフェ・グランハ・ラ・エスペランサ- Cafe Granja La Esperanza
2025.06.24こんにちは、Encore! Coffee Roasteryの杉山です。
スペシャルティコーヒーユーザーの皆さんの中にはカフェ・グランハ・ラ・エスペランサという名前を聞いたことがあるという方が少なくないんじゃないでしょうか。
コロンビアのコーヒー生産者、カフェ・グランハ・ラ・エスペランサ(Cafe Granja La Esperanza)は、世界中から高い評価を得ている、コロンビアを代表するコーヒー生産者の、まさに頂点のひとつです。
その歴史は1945年に始まり、伝統を守りながらも革新的な挑戦を続ける姿勢で、常に高品質なコーヒーを生み出しています。

カフェ・グランハ・ラ・エスペランサはCERRO AZUL(セロ・アズール)、LAS MARGARITAS(ラス・マルガリタス)、LA ESPERANZA(ラ・エスペランサ)、POTOSÍ(ポトシ)の4つの農園から構成されていて、コロンビアの西側、太平洋に面したバジェ・デル・カウカ県にあります。
Encore! Coffee Roasteryが扱っているTres Dragons Naturalはそのうちのポトシ農園で生産されたコーヒーです。
ポトシ農園はカフェ・グランハ・ラ・エスペランサの農園群の中でも最大の耕作面積がある農園で、ネクストゲイシャともよばれるシドラ種を最近はリリースしています。
始まりは家族経営の小さな農園
ラ・エスペランサは1945年にフアン・アントニオ・エレラ氏とブランカ・リギア・コレア夫妻が始めた農園プロジェクト。当初は伝統的なティピカ種を栽培し、そこにイエローブルボン、レッドブルボン、カトゥーラの3種を加え、カフェ・グランハ・ラ・エスペランサの歴史はスタートしました。
お子さんが14人おられ、そのうちの何人かはコーヒーに深く従事されています。とりわけ有名なのが、次に出てくるドン・リゴベルト氏。
コロンビアゲイシャのパイオニア
ラ・エスペランサの名を世界に轟かせた大きな功績の一つが、ゲイシャ種のコロンビアへの導入です。2007年、ファミリーのドン・リゴベルト氏がパナマの農園を経営する機会を得た翌年に、パナマ・スペシャルティコーヒー協会が主催するベストオブパナマで1位を獲得するとんでもない偉業を達成しました。
この経験からリゴベルト氏はゲイシャ種の種子を持ち帰り、コロンビアで初めて商業的な栽培に成功。今やコロンビアは世界有数のゲイシャ種の生産国として知られていますが、その礎を築いたのがラ・エスペランサです。とにかくめちゃくちゃすごい農園です。
個性豊かな農園と希少なコーヒー品種
ラ・エスペランサは、コロンビア国内に「ラ・エスペランサ」「ラス・マルガリタス」「セロ・アスール」「ポトシ」など、複数の農園を所有しています。それぞれの農園が持つ特有の微気候(マイクロクライメット)を活かし、各土地に最適な品種を栽培しています。

栽培している品種はゲイシャ種にとどまりません。近年ワールド・バリスタ・チャンピオンシップで優勝者が使用し一躍有名になった「Sidra」(シドラ)、フランス領レユニオン島で再発見され幻の品種とも言われた、カフェイン含有量が少ないことで知られる「Laurina」(ラウリーナ、ローリナ)(ブルボン・ポワントゥの呼び名の方が有名かも)、大粒で豊かな風味を持つ「Pacamara」(パカマラ)など、希少で個性的な品種の栽培に積極的に取り組んでいます。
品質への飽くなき探求心
ラ・エスペランサはコーヒーの品質を常にアップデートし続けています。収穫されたコーヒーチェリーは、糖度計を用いて厳格に管理され、完熟したものだけが手摘みされます。
さらに、「ハイブリッドウォッシュド」と呼ばれる水をほとんど使わない独自の精製方法や、微生物発酵を取り入れた先進的なプロセスを開発するなど、コーヒーの風味を最大限に引き出すための革新的な挑戦を続けています。これらの取り組みにより、ラ・エスペランサのコーヒーは、複雑で豊かなフレーバーと、クリーンで卓越した味わいを持つ唯一無二の存在として知られるようになりました。

その品質の高さは、パナマのコーヒー品評会での優勝経験や、大会での連続上位入賞、世界のトップバリスタたちがこぞって彼らのコーヒーを競技会で使用することからも証明されています。
伝統的な家族経営の温かみを大切にしながら、常に新しい技術や品種への探求を怠らない。カフェ・グランハ・ラ・エスペランサは、まさにコロンビアのスペシャルティコーヒー界を牽引する、革新的なリーダーです。